双子とあたし。
そこに着いた時、もう日は暮れはじめていた。
―――用があるんだったらもっと早く呼べってのっ!
そこの前に立つ。
――――ビルの空虚だった。
ここはあたしたちが肝試しをして以来、秘密の隠れ家的な存在になっている。
ここにはもう、何年も来ていない。
だけど、あたしが最後に来た日から変わっていないようだ。
―――変わったとすれば、埃とくもの巣の量かな?
あたしは微笑みながら、先へと進んでいく。
「―――ちょっと、ゆうた?ゆうと?」
二人の名前を呼んだ。