双子とあたし。




―――放課後。






あたしは悠斗を引き連れて悠太のクラスに行った。





悠斗はあくびをしながら、悠太なんていいじゃん、と言っていたが今日は二人がいないといけないのだ。





「悠太ー、帰ろっ!」





「うん。」






悠太はあたしたちが待っているのにもかかわらず、マイペースにカバンを持ってクラスに別れを告げていた。





「…おまたせ。」





たった数分でも、何十分でも、悠太は必ず自分は待たせてしまったとわかっている。



そこが、悠太のいい所なんだ。





逆に悠斗は、あたしが呆然と立っていると(別の世界に行っている)必ずそばに来て話してくれる。




そこが優斗のいい所なんだ。






あたしは二人のたくさんのいい所を知っている。






きっと二人もあたしをあたし以上に知ってくれている。





――――…だから二人に伝えたいんだ。








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