双子とあたし。




薫は意を決して口を開き始めた。



かすかに動いた唇を見る。




その口元は何を言いたいのか、俺はわかってしまう…。






「―――…柳田君に、告白されたの。」






――――やっぱり…。





気付いていたとしても、なんだか悲しくなってしまう俺がいる。





薫は付き合うのか?





―――そしたら、俺は薫と一緒にいることができなくなってしまうっ!





…そんなの、嫌だ。







――――もっと早く、想いを伝えていればよかった…。





「…で、どうするの?付き合うの?」






俺が自分のことでいっぱいのときも、悠太は冷静である。





双子だから、きっと悠太だって動揺しているはずなのに…―――。





悠太は他人に感情を出さない。




俺は気持ちの変動が激しく、少しのことでも動揺して無口になる。





―――…それが、





俺らの唯一の違いなのだと思う。





悠太は知らないかもしれないけど…。









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