双子とあたし。




ちょうど、豆腐屋の前で悠太は止まる。




隣に悠太がいないことに気付いた俺が振り返った。





「―――…薫は、きっと柳田と付き合うことになるよ。」





真面目な悠太の顔を俺はじっと見る。






「わかってるよ…。」




――――だって、俺たち双子だろ?




「…悠斗は…、このままでいいのか?」





―――…何かが切れる、音がした。





その瞬間、俺は今まで溜め込んでいた苛立ちを吹き出した。






「全っ然…。――――…いいわけねーだろっ!」





悠太はびっくりと俺を見る。


いや、俺もびっくり。




こんなこと言うなんて……




なんだか悠太を見ていられなくなった俺は、そこに居づらくなり駆け出した。





―――後ろからは、



悠太の声もしなかったし、追いかける足音も聞こえなかった。







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