双子とあたし。





家に着くと俺は一目散にベッドに入った。




手を置いた周辺のシーツを握る。



その自分の行動で、今の俺がわかった…―――。






…俺も悲しかったけど、悠太ほどではないと思っていた。


悠太がキレた後も、意外に冷静だったから…。




でも…―――――





―――俺は想像以上に…





「…薫が、好きなんだ…。」





握り締められたシーツを見ればよくわかる。




―――自分以外に大切な人を見つけてしまった“おもいびと”。



―――自分が彼女を幸せにすることはできない。



悔しさ…?


いや、もどかしさだ。










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