双子とあたし。




「本当にもうすぐなんだ!テニスの決勝。」



あたしと英介くんは廊下を走っていた。



「もう、集まっているの?」



「結構いるよ。」




あたしたちがテニスコートに着いた時にはもう、ほとんど人で埋め尽くされていた。



「あ、よかった。ここが空いてる…」



そう言うと、英介くんはあたしを手招きした。


「うんっ!」


あたしは英介くんの隣に向かった。




隣に来て、英介くんとの距離が近いことに気付いた。



英介くんのシャツがあたしにかすり、その度に英介くんのにおいが漂ってきた。



―――これが、男の人の…




その瞬間…―――






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