双子とあたし。
何もするわけではないけれど、あたしたちは見つめあいながら足を前に進めた。
「ふふ…」
あたしはその沈黙に耐えきれなくなり、笑ってしまった。
「?、どうした?」
「なんかあたしたち、恋人みたいだなぁ、て…」
微笑みながら言うあたしの手を英介くんは繋いだ。
「みたい、じゃなくて、恋人なんだよ。」
その声は怒っているわけでも、悲しんでいるわけでもない…。
ただあたしに教えているかのように…――――
繋がれたあたしたちの手を英介くんは指を絡ませた。
――――…これって
「…恋人繋ぎ。」
あたしはその手を眺めながら呟いた。
「そう…。俺たちは恋人だからこれができるんだよ。」
英介くん…
彼が強く握ったので、あたしも握り返した。
離れることなく強く握りしめあった二人の手。
それは今のあたしたちを象徴しているみたいだ。
あたしの指に絡められた彼の指は、細いけどその分力であたしをひきつけている。
――――…このまま、離さないで欲しい。
繋がれた先にあるあたしの彼氏の後ろ姿に目を奪われながら、その姿に頼りながら、あたしは彼の後ろを引っ張られながらついていった…――――。