双子とあたし。
――――あれは、悠太君や悠斗君にみせる、幼なじみとしての顔なのだろうか…。
それとも…――――
「―――…それじゃ、俺、試合前の練習があるから。」
「あ、うん!頑張ってね!」
薫ちゃんは笑った。
そう、俺はこの笑顔に惚れたんだ。
この顔がとても愛しい…。
だけど、これは俺に向けたものではない…――――。
悠太君は少し困ったような顔で笑った。
「おいおい…。他クラスの俺を応援していいのかよ。」
「あ…。…で、でもあたしのクラスとやるわけじゃないでしょ?」
「そら…、そうだけど。」
「じゃあ、大丈夫!いっぱい応援するね!」
悠太君は、そういう意味じゃなくて、と呆れたように薫ちゃんを眺めていたが、彼のクラスの人に呼ばれて行ってしまった。