双子とあたし。
「あたしのこと、思ってくれているんだな、て…」
恥ずかしいのか、俺から目線をそらす。
「そりゃ、思ってるよ!」
いつだって思ってるよ。
だって俺は、薫ちゃんが好きだから。
「そっか…。」
薫ちゃんは微笑みながら目を閉じた。
――――…綺麗だな。
きめ細かい肌はなんでも弾いてしまいそうだ。
そこにぽつりと頬の頂点に塗られた深紅の色が際立っている。
閉じられたまぶたにいるまつ毛は俺の方に向かって上を向いている。
――――綺麗だ。
心の中でもう一度呟いた。
なんだか彼女の顔をもっと見たくて、
俺は吸い込まれるように近づいた…。
―――…パチ。
彼女が瞳を開いた音。
その瞬間、目と目が予想以上に近いことを教えた。
―――――うわっ!
「…ごめんっ!」
俺はとっさに誤った。
「ううん…、でも今の…―――。」
薫ちゃんは唇に指を触れる。
その仕草が何なのか、すぐにわかった。
「あ!いやいや、そういうのじゃなくて…!」
「…」
怪しむ薫ちゃん。
これはどう言っても信じてもらいそうにない…――――。