双子とあたし。
もう、二人に迷惑はかけられない。
きっとあたしが悠太のことを話せば、彼は困ってしまうにちがいない。
…あたしだけが考えていればいい。
そう決意したけど、あたしはなんだか淋しい思いがあった。
でも、それを振り払うように首を大きく振る。
「…なんでもいいけど、俺は薫のそういう顔は見たくない。」
悠斗が何もない皿の上でフォークを遊ばせながら言った。
「―――…薫は、自分の中に押し込めすぎじゃない?…重くないの?」
「重くなんか…ないもんっ!」
あたしは声を張り上げた。
悠斗に見透かされているみたいで、二人を思って決断したのが水の泡のように思えたからだ。
いつの間にか、あたしの涙は渇いていた。
「大丈夫だよ。なんでもないから。」
その言葉に悠斗は意地悪な笑顔を浮かべた。
「…わかった。でも、薫が泣いた原因が柳田だったら、俺はあいつを殴りにいくからな。」
――――…ぜ、絶対言えないっ!