双子とあたし。
玄関を出ると、そこには悠斗が塀に寄りかかっていた。
「こんなに近いんだから、送ってくれなくてもよかったのに…」
あたしは笑いながら悠斗の横を通り過ぎようとした。
「…!」
悠斗はあたしの腕をしっかり握った。
なんだろ、怒ってるのかな…?
悠斗の顔は俯いていてわからない。
「―――…どうしたの?」
あたしは振り払おうとしたが、悠斗の力は思う以上に強くとても離せない…。
「…今日の薫は、変だった。」
「えっ」
ふいに呟かれた言葉を反射的に聞き返してしまった。
悠斗はゆっくりと顔を上げて、あたしの瞳を覗き込む。
それは、あたしの心の内を探るような目…――――。
「柳田…君となにかあったの?」
―――…この言葉は聞き逃さなかった。
一昨日の記憶が蘇る。
そして、唇が熱くなる…いや、顔全体…――――。
「な、なんでもっ…――」
「キスしたの?」
「!?」
悠斗の眼差しはあたしに真意を求めているのがわかった。
だから、嘘はつけない。