双子とあたし。
…気のせい、かな?
悠太もあたしを見ているような…?
悠太は少し心配したような表情で、かつ、歌い終えた達成感を表しながら微笑んでいた。
よほど歌がよかったのだろうか、歓声はまだ止まない。
雑音の中に、あたしと悠太だけの空間がいるような錯覚に陥った。
―――…悠太?
あたしは心の中で彼の名を言った。
きっと、声に出したんじゃ聞こえないだろうから…。
でも表情はそんな顔をしていたのかもしれない。悠太はマイクから離れてそっと唇を動かした。
―――…え、何?
微かな動きをあたしは真剣に見た。
悠太はあたしにわかるようにゆっくりと紡いでくれる。…そう、それはあたしに伝えたい何か…―――。