双子とあたし。



あー、と言って昂太は後ろに手をまわした。



「それってあれでしょ?薫ちゃん」



「し、知ってんの?」



取り乱す、俺。



それを見て他のメンバーたちはニヤニヤと笑い始めた。



「そういうことか。……でも、薫ちゃんは確か付き合っていたよな?」



一輝の声に俺は冷静さを取り戻す。


「うん…」



「だいぶラブラブらしいよ、二人。まあ、特に柳田君はもうベタ惚れみたいだね」


今度は慎司が呟いた。



――――…たしかに、可愛いけど…


薫は可愛い、…けど。



「俺、あっちにいく前にどうしてもけりをつけたくてさ…」



「お前…、言ってなかったのかよ…」



昂太の言葉に頷いた。



「俺はこの前話したぞ。…だいぶ落ち込んでいた声だったが」



一輝には遠恋の相手がいるらしい。たまに、一輝ののろけ話を聞く事がある。






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