双子とあたし。



「で、告ったのかよ?」


昂太は他の二人を押し退けて俺に近づいてきた。



「まぁ、一応。…さっき」




「「「さっき?!」」」



と三人の声が重なった。



「呟いたんだよね、口パクで。薫も俺を見ていてくれてるみたいだったし…」



「つ、伝わったのか?」



明らかに動揺しているみんな…。―――…そこまで驚くことかな?


「たぶん。薫の目、見開いていたよ」



その言葉を聞いて、三人はそれぞれの驚きをみせていた。


すると慎司が俺の肩に腕をまわした。




「―――…なぁ、悠太よ」



「…な、何?」



「それは脈があるんじゃねーか?」




――――…え、


その言葉は声には出さなかった。



脈?


それってもしかしたら薫が俺を好き、かも…?



――――……。




「ありえないよ…」



一瞬でも気が向いてしまった自分が恥ずかしい。

薫がそんなわけない。




「一途な薫が、柳田を放り出すわけがない」



そうさ。


薫は今、柳田が好きなんだよ。俺が入り込めないくらいに…。





< 208 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop