双子とあたし。
「で、告ったのかよ?」
昂太は他の二人を押し退けて俺に近づいてきた。
「まぁ、一応。…さっき」
「「「さっき?!」」」
と三人の声が重なった。
「呟いたんだよね、口パクで。薫も俺を見ていてくれてるみたいだったし…」
「つ、伝わったのか?」
明らかに動揺しているみんな…。―――…そこまで驚くことかな?
「たぶん。薫の目、見開いていたよ」
その言葉を聞いて、三人はそれぞれの驚きをみせていた。
すると慎司が俺の肩に腕をまわした。
「―――…なぁ、悠太よ」
「…な、何?」
「それは脈があるんじゃねーか?」
――――…え、
その言葉は声には出さなかった。
脈?
それってもしかしたら薫が俺を好き、かも…?
――――……。
「ありえないよ…」
一瞬でも気が向いてしまった自分が恥ずかしい。
薫がそんなわけない。
「一途な薫が、柳田を放り出すわけがない」
そうさ。
薫は今、柳田が好きなんだよ。俺が入り込めないくらいに…。