双子とあたし。
「二人はふざけすぎだが、確かにそんな状態になりえなくもないんだぞ?」
俺たちの中で一番大人で冷静な判断のできる一輝が言ってるから…
…本当なのかな?
「そうっ!でも歓喜の悲鳴もぶっ倒れる奴もいなかった…。つまり、その一瞬だけは悠太と薫ちゃんしか見つめあっていなかったのだ!」
昂太は腕を組んで仁王立ちしている。
「な、何が言いたいのかよ…」
「まだわからないの?」
横にいる慎司が俺を見た。
「悠太と薫ちゃんは運命の人なんだよ。」
「うんめい?…の人?」
うんうんとみんなが揃って頷いた。
「これは本当に脈があるかもな。返事を待ってみるかいあると思うぞ」
「そうだよなっ!」
一輝の声からだんだんと薄れてきた。
きっと自分だけで考えたいのかもしれない。
そんな俺を知ってか知らずか、話は俺なしで話が進んでいった。