双子とあたし。



もし、薫が了承してくれても…。


(………可能性は少ないが。)



俺には夢がある。


だから薫を置いてでも仲間と一緒に追いかけなければならない。



どうしても、叶えなければならないのだ。




―――…これのどこが、“運命”だというのだろうか。




両想いとなっても、ならなくとも、結局二人は一緒にいられない。



だったら、薫は柳田と幸せになった方がいいのではないだろうか。


柳田じゃなくとも、悠斗がいる。


あいつだって薫が好きだろうから。




――――…俺は、何がしたいのだろうかな。



勝手に告白して、

薫を困らせて…。



好きな人をこんな風にさせる人は…――――




「どこにもいやしねーよ…」




この呟きは誰にも聞こえなかった。



――――…真横にいた、慎司でさえも。





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