双子とあたし。




―――…後夜祭も無事に終わり、あたしは夜道を英介くんと二人で帰っていた。



手を繋いで…。



そのぬくもりが胸をおもいっきり締め付ける。


こんなに温かい手であたしを包んでくれるのに…。こんなあたしを好きでいてくれるのに…。




もう、あたしの頭は悠太のことでいっぱいになっていた。




――――…だめだ。


中途半端なんて、…だめだ。




あたしは意を決して英介くんに話し掛ける。



「ねぇ、英介くん!」


「ん?どうした、薫?」




優しくあたしの名前を呼ぶ彼がこのことを伝えるべきかを惑わせる。



そんな顔で…




――――…あたしは、愛されてるね。




英介くんといい、悠太といい

あたしを本気で好いてくれる。



あたしには十分過ぎるくらいの優しい心をもらった。



だから、本気のあたしの心をあなたに…―――――








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