双子とあたし。
届くのはいつか
7月8日
――――昨日はあのまま帰ることにした。
英介くんの顔を忘れられなかった。いや、昨日は忘れてはいけなかったと思う。
だからって、今日とか明日になったら忘れてもいいことじゃない。
英介くんの優しさはあたしを好きでいてくれたから…。
きっと、あたしの幸せを望んでくれたから…。
―――――…英介くん、
あたしは負けないよ?
あなたからもらったチャンスを無駄になんかしないよ?
悠太に断られたって、あたしは頑張るからね。見てて…。
――――…頑張って、幸せになるからね?
――――…英介くん、
口には言えないけど、あたしはあなたにも幸せになって欲しいな。
でも今、あたしがそう伝えるのは酷なことだよね。
さんざん英介くんを振り回しておいて、『幸せになれ』て無責任だもん。
いつでもいいよ…―――――。
あたしは英介くんがまた笑って報告してくれるのを待ってるね?
――――ありがとう、英介くん。