双子とあたし。
「悠斗、そういえば彼女は…?」
悠斗は台所に向かいながら、いかにも過去を懐かしむように、あぁ、と言った。
「別れたよ、話になった二日後あたりで。……コーヒーでいい?」
………別れた?
………コーヒー!?
「え、あ…!うん」
沈黙がながれる。お湯を沸かす音がよく聞こえる気がする。
「……薫は?」
「っひゃぁ?」
やかんの音を澄まして聴いていたので大変無様な声を出してしまった。
「……大丈夫?」
おかげで悠斗は変な目で見る始末…―――。
悠斗が急に話し掛けるからじゃん!
「だ、大丈夫ですっ!」
なんとなく敬語で話してしまった。
そんな慌てたあたしを見て、また悠斗がクスりと笑う。