双子とあたし。
「なんか最近、薫ってばかわいくなったよね」
悠斗はコーヒーを差し出した。
「かわい…っ?!」
「うん、かわいく。やっぱり彼氏さんの影響なのかな?」
嬉しそうに笑う悠斗を見て、なんだか真実が伝えにくくなった気がした。
――――…悠斗はあたしがかわいくなって嬉しいの?
悠太はどうかなぁ…。
そんなことを考えながらコーヒーを口に含んだ。
「ね、どうなの?」
悠斗はあたしの横に座った。
いつもだったら、悠太が反対側に座ってくれるのにな…。
あたしの頭には悠太でいっぱいだった。自分でも驚いてしまうくらい…。これだけ好きだったのをどうして今まで気付かなかったのだろうか?
「―――…薫?」
「え、あ…!」
気がつくと、悠斗が心配そうなおもむきであたしの顔を覗き込んでいた。
「…変だよ、薫。何かあったの?」
―――――…言おう。
あたしをこれまで支えてきてくれたんだから。悠斗にお世話になってるんだから!
「あのね、悠斗」
あたしは正座になり、悠斗の真っ正面に座った。
その状況に悠斗は真剣な様子で耳を傾けてくれた。