双子とあたし。



ぼーっとしていると、いつの間にか前に悠太が立っていた。



「―――…悠太?」



「…なに、ぼけっとしてるの?」



「え、何って…?」



悠太が指を窓の外に向けたのでその先を見てみた。



辺りは黄昏色に染まっていた。



「……綺麗だね」



「そうだね、………じゃなくてっ!」



「?」


あたしには悠太が何を言わんとしているのかわからなかった。

そう、それにあのことも…




悠太はため息を漏らした。


「もう放課後。帰ろ」


「あ、うん」



――――…そっか
もう放課後だったんだね。



いつの間にか、教室にはあたしと悠太の二人だけになっていた。
悠斗もいない。


夕焼けに染まる机も教卓も黒板でさえあたしたちが帰ることに寂しがっているように見えた。



――――…今、だよ。



教室を出るとき、そんな声が背中から聞こえたように思えた。


悠太はすでに玄関に向かっており、実質的に教室の中にいるのはあたしだけ。




「…だれ?」



あたしは問い返したがもう返事はなかった。





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