双子とあたし。
「――――…薫?」
はっ、と気付き振り返るとそこには紙袋を二つ持った悠斗がいた。
―――…一瞬、悠太かと思った。
「なんで道路の真ん中で正座してんの?……何、今日の反省会?」
まぁ車は通らないから引かれる心配はないけど、となにやら独り言を呟いて手を差し伸べた。
「ほら、立って?」
なんか、幼稚園生の気分…。
あたしは悠斗に手をひかれ、立ち上がる。
「え、転んだのっ?!」
こくり、と頷いた。
悠斗は小さくため息をついた。
「手当てしてあげるから、俺ん家おいで」
…藤間家
悠斗の家でもあり、悠太の家でもある。
あたしはおもいきり横に振った。
「あたしん家に、来て…」
藤間家にいたら必ず悠太は帰ってくる。
今はまだ、会いたくない…。
「…わかった」
少し考えた後そう一言言って、あたしの手を繋いで歩きだした。
帰路、悠斗はしゃべらなかった。