双子とあたし。



「………ゆう、た?」



それと同時に部屋のドアが開かれた。



あたしは彼から離される。




「………何、やってんの?」



ドアの方から、聞き覚えのある声が聞こえた。


あたしは目でその姿を確認しようとした。



―――…あれは、




「―――…悠太…」



そこには白い箱を持った悠太が立っていた。




「泣いてる女にキスしようとするって…、どういうこと?悠斗。その涙は嬉し涙だったの?」



―――…キス?



「…俺は、薫が好きだから」



――――…好き?



「悠斗の気持ちだけでするってどうかな?」


「………」


「薫には了承を得たの?」


「……」


「ねぇ、ゆう…――――」



「そんなに知りたいなら、悠太も言えばいいじゃんっ!白黒はっきりさせればいいじゃんっ!悠太もキスすればいいじゃんっ!」




あたしはびっくりして、目が開いた。



我に返ったようだ。


状況を把握すべく、周囲を見渡した。





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