双子とあたし。
7月24日
……とか、なんだかんだで何もしないまま一週間が過ぎてしまって、今日は終業式。
校長の去年と同じような話を聞いて、担任の高校生時代を熱く語られ(ほぼ聞いてない)午前放課になった。
あたしはすぐに家に帰った。
今日は何故か、悠太のまわりに女子がたくさんいた。
それを見て、なんだか喉の奥がモヤモヤしてきたので逃げるように帰った。
でも、何かを言いたい。
伝えたいことは山ほどあるはずなのに、言葉が見つからない。
悠太…
心の中てあたしは呟いた。
下を向きながら重い足を引きずりながら歩いていた。
「……悠太…」
今度は声に出していた。
「…なに?」
「……!」
――――…呼び掛けて、返ってくるとは思ってなかった。
今までも彼の名を呼んだことはいくつもあった。
だけどどれも返答を望んで言ったのではない。
あたしの自己満足。
彼の名を呼ぶだけであたしの心は温かく、いっぱいになるから…。