双子とあたし。
あたしと悠太は顔を見つめあった。
そして、自然と二人の距離が縮まろうとした時、
「…待って」
不意に悠太があたしに言った。
「……どうしたの?」
その言葉であたしは我に返り、自分がしようとしていたことを振り返って顔を赤らめた。
「…まさか、薫。俺のこと好きになったから柳田君と別れたの?」
「――――…うん」
それを聞いて悠太はあたしから離れ、大きなため息をつき、手を額にあてた。
「…なに、やってんだよ」
「?」
あたしには悠太の気持ちがわからなかった。
「……なんで自分から幸せ逃してんだよ。俺なんか、明日で行っちゃうし」
「…え」
「明日、外国に行くんだ。…俺の夢を叶えるために」
―――――…明日?
それって今日が最後なの?
「……俺は、柳田君は薫を本当に幸せにしてくれると思ってた。だから、俺が遠くに行っても平気だって…、考えてたのに…」
悠太は横の塀に寄りかかった。
顔をうつむかせて、何かに後悔しているかのように…。
「なんで、別れた、とか言うんだよっ…!」