双子とあたし。
悠太と視線が合う。
彼の目はどことなく、やるせない瞳だった。
「―――…俺が守んなきゃ、って思っちゃうじゃん」
悠太…。
その目は確かにあたしに向けられていた。でも、どうすることもできないからただ見つめ返すしかなかった。
「…なぁ、薫。ごめんな、」
不意に悠太の口から謝罪の声が聞こえた。
「なんで?」
「お前は俺が好きなのに、俺はお前が好きなのに、明日から一緒に笑うこともできないんだ。……そんな男、サイテイじゃん」
「―――…大丈夫。」
いつの間にか、言葉を声に出していた。
「だい、じょうぶ…?」
そう、大丈夫なの。
あたしは悠太に歩み寄り、彼の胸に耳をあてた。
「あたしはずっと、待ってるよ?」
あなたの心を知りたいの。
あなたの鼓動を知りたいの。
――――…ねぇ、聞かせて?
「…待ってるって…、いつになるのかわからないんだよ?俺が夢を叶える日がいつなのか…」
「いいよ、待ってる」
あたしはそっと目を閉じる。
もう少しで
あなたを知ることができる気がするよ。
「十年後でも?」
「待ってる」
「二十年後でも?」
「ずっと、待ってる」
「薫…」
「なに…?」
悠太の腕が、またあたしを包みこんだ。
「ずっと、好きでいてくれるのか?」
「ずっと好きでいるよ」