双子とあたし。




―――フラッシュの中に四人がいる。




それは、テレビでも中継されていた。




四人全体が映り、その後にボーカルの男の人の姿に切り替わった時、デザートにチーズケーキを食べていた子のフォークがするりと床に落ちた。





「……………悠太?」




待ち望んでいた彼の姿に視界が霞む…。


嬉しさのあまり、好物をたべるのを忘れてしまうほど。





だけどフラッシュの多さに自分との壁を感じてしまう…。




「…悠太」




二回目の名は恋しくて呼んだ。




もう一度、自分にあの日のように優しく笑いかけて欲しいと願いながら………。








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