双子とあたし。




あたしは悠太の背中を追う。



日常のあたしの部屋に非日常だった悠太がいる…―――――




ねぇ、悠太…



さっき『結婚』って言ったよね?それって本気にしていいの?

ただマスコミさんたちから逃れるための口実じゃないよね?



ずっと、一緒…でいいんだよね?



ねぇ…―――――




「………悠太」



あたしが呼ぶと、彼は微笑みながら振り返った。




「薫、……ただいま」



あなたはずるい。


そんな顔で、そんな声であたしを呼んだらあたしは…――――




「お…おかえりっ!」




――――…あなたに抱きつきたくなってしまう。




とか、なんとか言いながらもう抱きついているけど…



でも悠太はあたしを優しく抱きとめて頭を撫でた。




「心配かけてごめん。もう、離さないから…」



それはずっと一緒でいいの?



「……ずっと?」



あなたはこれから大きくなる存在なのに、こんな平凡なあたしと結婚していいの?




「うん、ずっとだよ」




―――――…聞きたかったその言葉。




そして、今までずっと心に秘めた言葉を言いたい。








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