双子とあたし。
「あら、双子ちゃんいらっしゃい。」
母親が出てきた。
「こんな子のために…、ごめんなさいね――。」
母は軽く会釈をした。
二人はとんでもない、というように手を振った。
「俺たちには、別の目的があるんで。」
悠太は母を見て、悠斗はあたしを見た。
―――つまり、こういうことになる…。
『チーズケーキ、食べてないだろうね。』
あたしはその視線にブンブンと横に顔を振った。
悠斗はかすかに微笑んだ…――。
「―――ここでもなんだかさ、薫の部屋にいきない。」
あたしを押し退けて、二人を無理やり玄関に上がらせ、誘導するように階段を上らせた。