双子とあたし。




「――仕方ない…か。」






いつもだもんね、と笑いながらあたしは台所に向かった。







―――冷蔵庫の中にはしっかりケーキの箱が置いてあった。







それと皿とフォークを持って、階段を駆け上がる。




「持ってきたよー。」






「ん。」






そう言って皿にケーキを取り分けた。






「…はい、どうぞ。」





二人の前に出されたケーキたちに別れを告げる…。






―――チーズケーキたちよ…――。あたしが後で必ず君たちを食べるからな。






心の中で涙ぐんだ。






「んじゃ、いただきまーす。」






あたしの心の叫びも知らないで、二人は容赦なく食べていく…。







「はぁぁぁ…。」






そんな彼らを見て、あたしはただため息をつくばかりであった。





テーブルに顔をつけて、羨ましそうに二人を見た。











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