双子とあたし。
けいはいつも双子を間違える…。
いっつも逆の名前を言う。
だからあたしは二人をからかっているんじゃないかな、と思うんだけど…。
「―――ところでさ!知ってる?」
…あ、もう悠太の話は終わりなんだ…。
「何?」
あたしは興味ありげに聞いてみた。
「なんとっ!うちとかおる一緒だったよ!」
「―――……だけ?」
「うん、そうだよ。」
―――…少しでも興味を湧かせてしまったあたしが悪かった…。
あたしの顔が沈んでいるのに気が付いたのか、けいはあわてて付け足した。
「あ、あとね、転校生がうちのクラスに来るらしいよ!」
それには悠斗も関心があったらしく、それまで黙っていたのに急に口を開いた。
「…その人って、男?」
「男らしいよ。」
「え!ゆうと女の子に期待してたの?」
あたしが首を突っ込む。
「別に…、そういうわけじゃないけど。」
悠斗はこちらを一瞬ちらりと向いて、教室に入っていってしまった。
「…?変なゆーと…。」
けいは悠斗の心情が読めたみたいでさっきからニヤニヤしている。
「…楽しみだね。」
けいが独り言のように呟いた。
―――一体どんなことに…?
あたしはけいに心の中で口出ししながら、けいの後ろについて教室に入った…――――。