双子とあたし。
一応、自分の席の周りを把握しようと見渡した。
「…あ。」
けいが斜め後ろだった。
「これからよろしくっ!」
―――…うるさくなりそうだな…。
けいは親指を立ててこちらにウインクした。
―――はいはい…。
さて、隣は誰か…――
「…な?」
―――なんと、柳田君だった。
…というか、こっち向いて驚いてるんだけど―――。
「ど…どうかした?」
あたしは首をかしげながら恐る恐る聞いてみた。
柳田君は我に帰ったのか、はっとして「なんでもないよ」と言ってそっぽを向いてしまった。
「?」
あたしはわけがわからなかった。
柳田君の「そんなわけないよな」という呟きが聞こえた。
――――え、何?なにがないのっ?!
あたしはまだ柳田君を見ていた。
―――あ、しつこいかな…?
でも、その真相に迫りたいよね。
あれから柳田君、一回もこっち向いてくれないし。
…そんで、あーだこーだしてるうちに学校が終わってしまいました。