双子とあたし。
「――――…ていうことがあったんだよね。柳田君のこと、どー思う?」
―――帰り道。
悠太はいつもの悠太に戻ってて、安心した。
それで、さっき起こった柳田君について二人に話しているところだった。
「…柳田君、ね。」
呟くように悠太は言った。
「ほとんどの女子に一目惚れされてたよ。あれじゃ、明日からロッカーが大変だね。」
悠斗は興味なさそうに悠太に報告した。
そして思い出したかのようにあたしに向いて尋ねた。
「薫はどう思った?」
―――え、あたしに感想聞くの?
「…いや、かっこいいなとは思ったけど…。」
「一目惚れ?」
―――やけに今日の悠斗、聞いてくるな…
「あたしは、一目惚れは避けたい。だってそれ、ほんとに好きなのかわかんないじゃん。」
「確かに」と悠太も賛同してくれた。
悠斗も微笑んで、「お前らしいよ」と言ってくれた。
やっぱ、一番わかってくれるのは悠太と悠斗の二人だよ。
そう思うとなんだかあたしは嬉しくてたまらなかった。
頬の筋肉が緩んでしまう。