双子とあたし。





「――――…ていうことがあったんだよね。柳田君のこと、どー思う?」






―――帰り道。






悠太はいつもの悠太に戻ってて、安心した。





それで、さっき起こった柳田君について二人に話しているところだった。







「…柳田君、ね。」





呟くように悠太は言った。







「ほとんどの女子に一目惚れされてたよ。あれじゃ、明日からロッカーが大変だね。」






悠斗は興味なさそうに悠太に報告した。




そして思い出したかのようにあたしに向いて尋ねた。






「薫はどう思った?」





―――え、あたしに感想聞くの?





「…いや、かっこいいなとは思ったけど…。」





「一目惚れ?」





―――やけに今日の悠斗、聞いてくるな…






「あたしは、一目惚れは避けたい。だってそれ、ほんとに好きなのかわかんないじゃん。」






「確かに」と悠太も賛同してくれた。





悠斗も微笑んで、「お前らしいよ」と言ってくれた。







やっぱ、一番わかってくれるのは悠太と悠斗の二人だよ。







そう思うとなんだかあたしは嬉しくてたまらなかった。





頬の筋肉が緩んでしまう。






< 52 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop