双子とあたし。
4月15日
―――始業式から一週間。
「おはよう。」
あいさつの飛び交う玄関にあたしはいた。
「あ、柳田君!おはよう!」
ちょうど今、靴を脱ごうとしている柳田君がいた。
柳田君は少しうつむきながら返してくれた。
「…おはよ。」
――――柳田君って、シャイなんかな…?
ま、あいさつを返してくれたからよしとするかっ!
あたしも靴を脱いで振り返ろうとすると、意外に近くに柳田君の背中があって驚いた。
「わっ!」
と、つい言葉をあげてしまうくらいに…。
柳田君はあたしの状況にすぐに気付いて「ごめん」と謝った。
「ど、どうかしたの?」
あたしはなんとなく予想はつきながら聞いてみた。
「それが…――。」