双子とあたし。
「ありがと、…幸島さん。」
“幸島”という言葉に抵抗があるのか、柳田君は少し間をおいた。
「どういたしましてっ!」
あたしは笑顔で返した。
―――きっと柳田君はまだクラス(特に女子)には馴染めてないのだと思う。
だから、あたしがその第一人者になって、みんなと早くうちとけ合えるようにしてあげよう…―――。
そう思って笑顔で答えたんだけど…―――。
柳田君はそっぽを向いてしまった。
「…」
――――…あたし、嫌われてるっ?!
それしか考えられない。
だって…
思い返せばきりがないほど、思い当たるものがあるもの…――。
――――…うわー…。かおるショック…。