双子とあたし。
「お、うまそー。」
居間に着いた双子が感激している。
「ほんとだ。」
あたしの母は(自慢じゃないけど)料理がとても上手なのである。
なんでも、大学時代に料理の研究(自主的に)行っていたらしい。
―――作った料理たちがどこにいったか、というのはだいたい予想がつく…。
――――…母の体型を見れば、一目瞭然。
「ケチャップはお好みでどうぞ。」
母は特大のケチャップを悠太の前にどんと置いた。
「じゃぁ…」
と言って悠太がそれに伸ばそうとした時、
「あ、待って!」
あたしは彼の手を止めていた。
「ゆうたとゆうとの名前を書いてあげるっ!」
あ、とあたしに取り上げられたケチャップを見届ける悠太をよそに、あたしは早速作業にとりかかる。
「はいっ!ゆうたの分、こっちがゆうとの分!」
“ゆうた”“ゆうと”と書かれたオムライスを二人の前に置いた。
「…メイド喫茶じゃないんだから…。」
悠斗は恥ずかしそうだったが、ちゃんとお礼は言ってくれた。
「ねぇ。」
「ん?何、ゆうた?」
悠太はオムライスを覗き込んでいた。
「俺らの名前、もしかして書けない?」
「!!」
――――いや、書けなくはないですよ!
「ちゃ、ちゃんと書けるって!」
「…確かに、疑問だ。」
「あ、ゆうとまでっ!」