双子とあたし。
「ゆうたはこう…で、ゆうとはこう…でしょ?」
あたしは空に悠太と悠斗の名前を書いた。
二人は「正解」と口をそろえて言ったけど…
「ねぇ、もしかして平仮名を意識して日頃俺らを呼んでるの?」
悠斗の痛い質問…―――。
――――ギックー!
思わず口に出てしまいそうになったが…、落ち着いて、落ち着いて…。
「だ…だ、だってさ、幼稚園からそう呼んでたじゃん?」
自分がすごく動揺しているのはわかる。
でも今の言い訳は我ながら上出来だったと思う。
「―――…俺らはさ、もう小さくないんだよ。高校生だぜ?」
待ちきれなかったのか、悠太はスプーンを片手にオムライスを食べ始めた。
―――ゆうたという文字が消されていく…
「だよな。俺や悠太にも一応“漢字”てのが存在するしな。」
二人に責められているようで、あたしは小さくなった。
「ごめんなさい…」
あたしは謝ることしかできなかった。
別にいいけど、とオムライスを頬張りながらしゃべる悠太の声が聞こえる。
「―――…要するに、漢字を使って高校生扱いしてほしいわけ。」
「うん、わかった。」