双子とあたし。
あたしは無意識に興味の目を輝かせていた。
柳田君はあたしから上に目線を反らした。
「あんま、上手くないと思うけど…。」
――――…それから、柳田君との特別レッスンが始まった。
柳田君は上手くないと言っていたけど、この教え方は半端ないっ!
絶対うまい!
すごくわかりやすいもん!
あたしは授業の中でレシーブやサーブなどの基本的なことはほぼ出来てしまった。
「…すごいや、柳田君。あたしがここまで上達するなんて…。」
あたしに気付いた柳田君は違うよ、とあたしにボールを渡しながら言った。
「俺が上手いんじゃなくて、幸島さんがすごいの。」
「ち、違うと思うけどなぁ…。」
お世辞とはわかっていても、褒められるとなんだか嬉しい。