双子とあたし。
「今日はありがとうございました、柳田先生っ!」
あたしはからかいを含みながら柳田君にお礼をした。
「どういたしまして。」
柳田君はあたしに微笑んだ。
その顔はどこか双子に似ていて…
「どうした?暑い?」
あたしはいつの間にか顔を赤らめていた。
「うん!あ、暑いっ!バレーした後って汗いっぱいかくよね!」
尽くせる限り、あたしは誤魔化した。
「そうだね。」
あたしの焦った顔を見たからなのか、柳田君は満面の笑みで答えた。
―――あたしにはどうもそれを見るたび恥ずかしくなっちゃって…。
「あ、俺もう行くね。」
あたしが気付いたときには柳田君は駆け出していて、英介遅い、という彼の友達が手招きしていた。
「……ふぅ。」
あたしはなんてなく、ため息をしてみた。