双子とあたし。
6月2日 悠太side
「藤間、次の休み時間に職員室に来てくれないか?」
「はい…。」
先生は満足そうに笑った。
「体育大会のことで話があるんだ、授業が終わったらすぐに来てくれな。」
「はい。」
今日も…、か。
一番楽かと思って体育委員に入ったけど、まさかこの年が体育大会と文化祭が重なる年だなんて…。
「…思ってもみなかった。」
授業が終わり、俺は教室を後にする。
―――…目指すは、職員室。
ま、職員室って涼しいから今日みたいな暑さには“避暑地”って感じだよな。
階段を下ろうとすると、たくさんの声が聞こえてきた。
―――前の時間、体育のところがあったのかな?
ご苦労様ですね、こんな暑いのに…――――。
それらの声を左から右に流して聞いていると、『幸島』という声が聞こえてきた。
――――薫のこと?
俺は気になって、耳を傾けた。