双子とあたし。

6月2日 悠太side






「藤間、次の休み時間に職員室に来てくれないか?」






「はい…。」






先生は満足そうに笑った。






「体育大会のことで話があるんだ、授業が終わったらすぐに来てくれな。」







「はい。」






今日も…、か。






一番楽かと思って体育委員に入ったけど、まさかこの年が体育大会と文化祭が重なる年だなんて…。






「…思ってもみなかった。」







授業が終わり、俺は教室を後にする。





―――…目指すは、職員室。






ま、職員室って涼しいから今日みたいな暑さには“避暑地”って感じだよな。





階段を下ろうとすると、たくさんの声が聞こえてきた。





―――前の時間、体育のところがあったのかな?








ご苦労様ですね、こんな暑いのに…――――。








それらの声を左から右に流して聞いていると、『幸島』という声が聞こえてきた。






――――薫のこと?








俺は気になって、耳を傾けた。









< 82 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop