となりの部屋
許せないと、思った。
ここまで怯えさせる、奴を。
だから警察が来るまで、
ちゃんと捕まえておかなきゃ、と。
家の中にいる奴を
警察が来るまでどうにか
逃げられないようにしなければ。
俺はそっと、ベランダへ出た。
案の定、全開に開けられた窓。
家の中から、
微かにガサガサと物をあさるような
音が聞こえる。
なぜだろう。
眠かったはずなのに、
普段なら絶対
こんなこと進んでやらないのに
その時の俺は
気付いたら動いていて
彼女を守りたくて必死だった。
俺は一気に隣のベランダへと
飛び移り、窓を勢いよく閉めた。