となりの部屋
震えて、怖がっている彼女を
落ち着かせようと
とりあえずソファへと案内する。
しかし、ソファに座ろうとせず
すぐに俺の腰へと手が回った。
ぴったりとくっつけられた身体から
彼女の怯えが
痛い程に伝わってきた。
「大丈夫、もうすぐ警察来るから。」
『‥ん。』
「もう少し、我慢して。」
そういうと彼女は少し
落ち着いたようだった。
しかし、それはすぐに
消えてしまった。
ガタッ 、
突然隣の部屋のベランダから
物音がした。
2階のいちばん端に位置する
彼女の部屋は、
階段の裏から頑張れば
ベランダへと移ることが
出来てしまうのだ。
きっと男は、
そっちに移動したのだろう。