鏡の向こう側
私は部屋までなぜだかわからないけど、全速力で走った。
部屋に入ったと同時に、私は力が抜けてその場にへたっと座り込んでしまった。
走ったときに出た汗なのか、冷や汗なのかわからない汗で全身びしょ濡れだった。
｢ふぅ。｣
私はさっき起きたことの状況を整理するために、とりあえず深呼吸した。
さっきのはいったいなんだったのだろう。
あんなことを経験したのは初めてだ。
鏡の中に手が入るなんて。
もし、あのまま鏡の中に入って行ったらどうなっていたのだろうか？
真っ暗な世界が広がっていたのだろうか？
それとも、なにか別の世界があるのだろうか？
凄く怖いが、その気持ちより好奇心の方が強い。
もう一度あの部屋へ行こうと腰をあげたが、｢ご飯だよー｣という声がしたので先にそちらに向かうことにした。
朝早くから書斎にいたはずなのに、いつのまにか時刻は12時を過ぎていた。
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表紙・目次

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