sky,
+きっかけは偶然に+
カキー・・・ン―――
「あっちぃ、」
「なぁ、」
6月下旬、とうとう
日差しは夏本番!
とでもいうような、
ギラギラと肌に
刺さる勢いで、
カキー・・・・ン
今は体育で、
男女別れて試合形式の
ソフトボールだ。
誰でもかっとぶ
男子の試合と違い、
女子の方は
打てたり、空振ったり、
キャアキャアと楽しそうだ。
その中でも目立っている
小野原 沙耶奈(オノハラ サヤナ)
を見つける。
あ、来た来た
珍しく高く舞い上がった
白球を一生懸命に背伸びするが、
エラーして周りのやつと
笑いながら、逃げる白球を追っている。
「また沙耶奈見てんのか、正樹」
「なっ、」
さっきまで話してたのに、
存在をすっかり忘れてた
コイツは、中学から親友の
内藤 英也(ナイトウ ヒデヤ)。
この4月から、
俺、保暮場 正樹(ホボバ マサキ)とこの暁西岡部高校に通っている。
ちなみに、
さっきの沙耶奈も
中学から一緒なのだ。