True Love



日向湊はなんの札もかかっていない扉をあけると、

押し込むようにしてあたしを
中に入れた。



そこには息をのむような異様な光景があった。


むっとした匂い。

クスリをやったような
虚ろな目をした男。

げっそり痩せて
骸骨のような顔でタバコを
ふかしている女。


中には制服に身を包みながら
注射を打っている男女や、


キャバ嬢のようなカッコ
ホストのようなカッコの人も
たくさんいる。



とにかく、普通ではない。


「はよ入れ。」

………今すぐここから逃げ出したいのに、
体がいうことを聞かない。



「…レイナさん、すんません
こいつお願いしていいスか」


「はいは~い♪」


レイナさんと呼ばれた
キャバ嬢の美人があたしに
近づいてきた。


「だれ?新しい湊の彼女?
…かわいそうやねえ~
裏切られた気分やんねえ~??湊はいっつもそうやから~」


「レイナさん余計なこと言わんでくださいよっ!
そいつは俺の彼女でもなんでもないんで。ただココのことバレそうやったから口封じの為に
連れてきただけです」




……口……封じ??
それに、いっつもそうって…
あたしの他にも…いるんだ…
あの噂は本当だったんだ…!



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