True Love
恥ずかしくて俯いたまま
なんとかHRをやり過ごした。
「じゃあ~…まあ高校は中学とは違うから…明日から頑張れ」
そうして先生の話が終わると
すぐさま、あたしは取り囲まれた。
「零っ!!!あんた日向兄弟知ってたん?!」
「なんで??!!!」
「どこで知り合ったん??!」
「…黙っててごめんね?
実は、今朝…」
そうして今朝あった話を
ぜんぶハルたちに話した。
「そうやったんか~!」
「なるほどね……」
「…第一印象どんなだった?」
唐突に聞かれて、
あたしは声が裏返った。
「…え!?…あ、え~っと、
優しくて、おもしろくて、
かっこいい…かな?」
「はあ~…やっぱり!!!」
みんながため息をついた。
「なんで?すっごく良い人
だったよ??」
「…それがあかんねんなあ…」
「…」
それを言われちゃ
もうどうしようもない。
「…良い人そうに見えたのに
なあ…?」
あたしは奏汰くん達の噂が
どうしても信じられなくて…
自分で確かめることにした。