True Love

:SECOND




校門を出て、ひたすら
日向湊を追いかけた。



電車に乗る湊を追って、
気付かれないように
違う車両に乗った。








そうして日向湊が降りた駅は、今日あたしが奏汰くんと
出会った駅…。





「そっか…双子なんだから、
そりゃ同じ駅だよね……」




そうして駅を出て、
今朝通ったばかりの
畦道や住宅街を通り、

商店街に出た。


そこで初めて日向湊が
携帯電話を取り出し、誰かに
電話をかけた。










「おぅ…。俺や。今着いた。
どこ行けばいい?」

((なんか…怪しい雰囲気…))

「…あー、周り…はなんや
でかいパチンコ屋があるわ。」



「もぅそっちから見えてるん?……は?!!」










いきなり、










日向湊がこっちを向いた。





目が合ってしまった…。











((…ヤバい…!逃げなきゃ!))





そう思うのに、
足がすくんで動かない。











日向湊は顔色ひとつ変えず、
すたすたと近づいてきた。










「…お前何してんの?」


震えて、上手く声が出せない。



「…なあ!」

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