ボタン雪
「よろしく!雪那ちゃん!」

馴れ馴れしい秋本先輩にいらいらしながらも、
私も軽く挨拶した。

「よろしくお願いします。秋本先輩。」

「秋本先輩って呼ばなくていいよ。琢磨って呼んでよ!あと、メアドも交換しない?ほら、一緒に人捜しするなら連絡取り合わないとじゃん?」

「はい…」

私は気が進まなかったものの携帯を取り出した。

赤外線で私のメアドを送る。

「よし!じゃあ早速人捜し開始だ!そいつの特徴を教えてよ。」

琢磨はそう言って、
私を振り向いた。

私は気まずくなって、
目を逸らした。

特徴って言っても、
バス通学で、とてもかっこいいということしか覚えていない。

でもそんなこと恥ずかしくて言えない。

琢磨は黙っている私を見て、

「もしかして…何も覚えてない?」

と聞いた。

私がこくりと頷くと、

まいったなぁ~

と呟いて頭をかいた。

それからしばらく考えてから、口を開いた。

「あのさ、そいつが部活をやってるんだとしたらさ、まだ校内にいるはずじゃん?」

「うん。」

「じゃあさ、ここで待ってるのもなんだし、探しに行こうぜ!」

「えっ?だって私、この制服じゃ…」

「大丈夫だって。近くで見ない限り他校だとはわかんねえよ。」

私は

先生もそんなにバカじゃないでしょ…

と思ったけれど、半ば強引に琢磨に校舎に引きずられていたた。

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