年下Prince.
すると、ぐいっとあたしの手を郁弥君が引っ張って、そのまま体育館の裏にきた。
な、なんですか…!?
「あ、あの…郁弥君」
「ケガ、大丈夫ですか?」
郁弥君があたしがもう片方の手で持っていた保冷剤をみて言った。
「あ…うん、ケガって言うほどのケガちゃうし。」
「よかった。」
真剣な顔の郁弥君の口元が緩んだ。
あ、ちがう!!
大事なこと、忘れたらアカン!
「あ…、それで…あたし」
「………………?」
「ごめん。」
「………………。」
「あたし…、郁弥君に謝りたくて」
「さっきのこと、ですよね?」
「うん。
郁弥君が…女の子に告白されてるの見て、やきもち妬いた。」
「……………えっ、」