年下Prince.
ベンチの後ろに座っているあたしには
しっかり、ミーティングの内容が
聞こえてくる。
「まだ同点や。焦るなよ。
自分の周りをちゃんと見ろよ。
あと郁弥、」
「はい!」
「お前、後半10分たったら出すから、
アップしとけ。」
「はい!」
お、郁弥君出るんやー。
「よし、じゃあ気合い入れていってこい!」
ミーティングが終わって、後半が始まった。
と、思っていると郁弥君がこっちにきた。
「絢音先輩!おれ、試合出るんで、
ちゃんと、見ててくださいね!?」
「うん、見とくで。がんばってな」
それだけいうと、郁弥君はアップを始めた。
しばらくして広川先生が郁弥君を呼んだ。
「よし、郁弥
行ってこい。」